Applied Acoustics Systems The Integral レビュー

AAS(Applied Acoustics)社が20周年記念という事で9月10日まで半額セールを行なっています。

https://www.applied-acoustics.com/20th-anniversary-promotion/

Ableton Suiteには内蔵インストゥルメントのCollision、Tension、Analog、Electricと内蔵エフェクトのCorpusはデバイスの右上にA|A|Sと描かれている様にAbleton社とAAS社が共同で開発したフィジカルモデリングシンセサイザー(Physical Modeling Synthesis、物理モデル音源)とエフェクトが内蔵されていてそれだけでも御飯お代わりできるぐらい凄いシンセサイザーですが、今回はそのApplied Acoustics SystemsのThe Integral(全部入り)を紹介します。

The Integralを使い始めて初めて使い始めたソフトウェア音源もあるので付属の音源とエフェクト、35個の拡張音源パックをざっくりと紹介し、各音源とエフェクトの詳細は理解した順に今後記事にしていこうと思います。

フィジカルモデリングシセシスのハードウェアのシンセではYAMAHAのVL1やバーチャルアナログシンセに限定するとCLAVIA( 現:Nord Keyboards) のNord Leadシリーズ、Access Virusなどが有名でLogic Pro XにはCollisionとTensionを合わせた感じでさらにモーフィング出来るStructureという強力なフィジカルモデリングシンセ(協力ですが理解するのが少し大変…)が内蔵されてます。

Collision = マレットを使う打楽器の特性をシミュレートするシンセサイザー

Tension = 弦楽器のエミュレーション専用のシンセサイザー

Analog = バーチャル・アナログ・シンセサイザー

Electric = 70年代のクラシック楽器をベースに開発されたエレクトリッ ク・ピアノ

Corpusエフェクト

 


The Integralの紹介

特徴

  • 5つの音源+1つのエフェクトとそれらの音源の為の35パックの膨大な拡張音色が内蔵!

  • 全てnative InstrumentsのNKSに対応しKOMPLETE KONTROLから簡単にブラウス可能!

  • GUIがシンプルに洗練されていてオリジナルの音作りも集中して素早く作れる

  • VST/AU/RTAS/AAX NativeとSTANDALONEで使用可能

5つの音源

The Integral付属の5つの音源はフィジカルモデリングシンセサイザーですが、Ableton Live Suite内蔵の音源と同様に簡単に音色作りが出来ます。


Ultra Analog VA-2

超強力なバーチャルアナログシンセサイザーでかなりいい音がします。


Chromaphone 2

Chromaphone 2はクリエイティブなパーカッションシンセサイザーで、色々な音色を試奏してみた感じではリアルなパーカッションやエれピ、ベースなどから現実には存在しないパーカッションなどかなり幅広い音を出せました。

パーカッションシンセサイザーなのでドラムスティックで叩けるMIDIコントローラーやKeith McMillen InstrumentとPearlが共同開発したエレクトリック・マレットコントローラーのMalletSTATION model EM1 と組み合わせたらかなり面白いんではないかと思いました。

 


Lounge Lizard EP-4

1970年代の名機のローズやウーリッツァーなどに基づいて開発されたエレピ。EditページのパラメーターはTremolo以外、Ableton内蔵のElectric(%表示)とほぼ同じパラメータがあります(Lounge Lizard EP-4(db表示) )

Guitar RigやIKのAmpliTubeなどのアンプをLounge Lizard EP-4の後段にかけたりすると面白くなりそうです。

勿論、サンプルベースのエレピ音源では無くモデリングなのでずっと弾いて痛くなる様なとても気持ちがいい音がします。Ableton内蔵のElectricを他社のDAWやスタンドアローンで弾きまくりたい方にオススメです。

Lounge Lizard EP-4のEditページ

 

 

Ableton Electric


String Studio VS-2

String Studio VS-2は弦を指、ピック、弓で弾いたり叩いたりした音を出せる上記のパーカッションシンセサイザーのChromaphone 2の弦のバージョンと言ったらわかりやすいでしょうかね。これもChromaphone 2と同じくリアルな弦楽器の音からまだ存在しない楽器の音を作れるポテンシャルを秘めています。

 


  • Strum GS-2 : キーボードを弾く事でリアルなエレキギターとアコースティックギターの音が出力されます。

    ※Strumming = 爪弾き


エフェクト

Objeq Delay

Objeq Delayは今回初体験なのですが、とても面白いディレイで、入力された信号にアコースティックな質感(アコースティックなフィルタ)を加えてディレイをかけられるエフェクトでこんなに面白いディレイは初体験です。まだ完全に理解してないのですがとりあえずデモ版を試してみると面白さがわかると思います。

ディレイの繰り返した音にまた別のobjectの質感などが加えられたり出来たらもっと面白そうなのでAASにメールしようと思いました。


音源の35パック

音源パックは35種類もあるので紹介が大変なので簡単なマインドマップを作りました。

拡張パックの詳細はこちらのページに情報があります。

それぞれのパックのジャケットの左上に色がついていて、

  • Ultra Analog VA-2は薄い緑

  • Chromaphone 2は

  • Strum GS-2は黄色

  • String Studio VS-2はオレンジ色

https://www.applied-acoustics.com/the-integral/

https://www.minet.jp/contents/promotion/aas-20th-anniv/

NKS対応なので以下の様にKOMPLETE KONTROLでApplied Acoustics Systemsをブラウスできます。

音色バンク別にNKSでブラウスする感じになっています。

(スクリーンショットに入りきらない。。w)

既にUltra Analog VA-2Chromaphone 2などの良さを知っている方やキーボーディストだがギターなどの弦楽器を弾けない方はStrum GS-2の単品を検討するのも良いですし、今回紹介したThe Integralは音源、エフェクト+音色パックが全部入って半額の¥59,400(普段は¥118,800)でNKS対応なのでこの20周年記念セールで何かしら検討してみてはいかがでしょう?

購入は日本語マニュアルがいい方は日本のディストリビューターのMedia Integrationさんのサイトから購入する事をオススメします。

https://www.minet.jp/brand/aas/the-integral/

AAS20周年記念の半額セールは9月10日までなのでお見逃しなく!

 

※フィジカルモデリングシセシスの参考リンク

https://www.applied-acoustics.com/techtalk/physicalmodeling/

https://en.wikipedia.org/wiki/Physical_modelling_synthesis

https://en.wikipedia.org/wiki/Karplus%E2%80%93Strong_string_synthesis

https://soundbridge.io/physical-modelling-synthesis/

https://ccrma.stanford.edu/~jos/pmupd/

Cypher 2が遂に来た!

Cypher 2が遂に来た!

 

Cypher 2 が来たぜ来たぜ来たぜ来たぜ!

Cypher 2参上!

fxpansionSeaboard RiseBlocks シリーズなど素晴らしいコントローラーを開発している ROLI の子会社になって以降、Strobe 2 はすぐにリリースされました。

僕はすぐにCypher 2、Amber 2がリリースされるであろうと楽しみにしていたんですが、中々リリースされずにやっと先日リリースされました!

DCAM Synth SquadのRittor Musicさんの説明記事を見るとどうやらリリースから8年も経過しています…w

MPE(MIDI Polyphonic Expression)5D(Strike, Glide, Slide, Press,Lift) を理解するのに必要な知識をざっと紹介してから、Cypher 2を紹介します。

できればStrobe 2を先に紹介してからCypher 2を紹介すべきでしょうが、今回は僕的には待望のCypher 2を先に紹介します。

(Strobe 2は1と同じく SH−101を意識したシンプルな構成ですが、Filter leakなど新しい機能がいくつか追加されている)

さてCypher 2を紹介する前に5D Touchと各ロゴの意味、実際の動きや実際にはどんなMIDIメッセージが吐き出されるかををざっくりを紹介します。

ROLiのController以外にも以下のマークで今後説明される場合もあるかもしれないので、マークとStrike, Glide, Slide, Press,Liftがそれぞれどんなメッセージを出力するかを覚えておくと損はないと思うのでプリントアウトするなり、自分専用に神に書いたり、Pagesでまとめたりして工夫して覚えるのもいいです。

Strike

 

打鍵した時の強さ、MIDIではOnVelocity

Glide

アイコンが象徴する様にSeabord Rise, Seabord Blockを横に滑らせる。MIDIは Pitch Bend

 

Slide

 

アイコンが象徴する様にSeabord Rise, Seabord Blockを弾きながら弾いてる手を前にスライドさせる。MIDIではMIDI CC 74

 

Press

 

 

弾いてさらに押し込む。 MIDIではaftertouch*またはpressure

 

Lift

鍵盤を話す強さ。MIDI ではRelease Velocity

の5つのマークと吐き出されるMIDIメッセージを暗記しておいてください。

 

どれもStrobe 2,Cypher 2のTrans Modのソースとして様々なパラメーターにアサイン可能!

 


 

Cypher 2

 

それではCypher 2を紹介します。(1よりも大幅にパワーアップしたので今回だけで伝えきれないかもしれません)

3つのオシレーターで合成したり、Audio RateでOSC2から1、OSC3から1にFMをかけたり出来ます。

 

Cypher 2

 

Cypher 1はこんな感じです、Cypher2と比べるとだいぶしょぼくて、GUIを拡大するとツマミの画像のシャギーが目立ちます。。

Synth部

  • 3OSC(OSC1,OSC2,OSC3は微妙に違う!)
  • 2Filer(Svf,Mgf,Mgx,Fat,Jpt,Comb)
  • 2Shaper(Pre/Post)
  • Dual LFO x 2
  • Ramps
  • Analogセクション

Sequencer部

 

  •  左側はSequencerかArpeggiator
  •  右側は3つのMod Seq

どれもTrans Modのソースとして様々なパラメーターにアサイン可能でじゅらくよ〜ん

Effects部

 

FX A, FX Bの二系統でそれぞれ以下のカテゴリーのエフェクトを3段でかけられる

  •  EQ
  •  Dynamics
  •  Delay + Reverb
  • Modulation
  • Distorsion

と大きく分けると3つのセクションに分かれています。

勿論、Cypher 1と同じくTransModulationができますがその数が24スロットに増えて、3段目のスロットはMPE,P1~P3 の為に用意されています。


Trans Modをざっくりと動画で紹介

Fxpansionの一番素晴らしく考えた方は天才だと思えるTransModについては以下の動画で説明しました。

まずModulationソースを選択してその後にアサインしたいつまみの周りのリングがうっすらとなるのでその状態でドラックして膨大なモジュレーションソースから一度に多くのパラメーターをアサインできます。BipolarとUnipolerの違いに注意してください。

Bipolarは+ と- の方向に値が動き、

Unipolerは一方の方向にしか動きません。

動画をざっくり見てから、実際にデモ版を落としてアサインんしまくって見てください。


これまでの DCAM Synth Squad のStrobe1&2、Cypher1 などと同じく波形がどうなっているのかが真ん中のVisualizer によって視覚的にわかりやすく、さらにCypher 2ではオシレーター、フィルター、出力のミキサーの変更によってVisualizerにシグナルフローが表示されて変更される点がかなりわかりやすいと思いました。


ROLI Blockシリーズでの演奏例

 

また前半で紹介した

RoliのSeaboard Block, Lightpad Block Mを使用し演奏した例が公式のYouTubeで公開されています。動画内でのLightpad Block MはRoliのコントローラー付属のRoli DashboardというソフトウェアでLightpad Block Mを「Rise Controller」に設定して使ってLightpad Block MをCypher 2のP1,P2,P3にアサインして使用しているようです。

 

僕はV-Synth GTで初めてAftertouchを知り、Aftertouchを SynthのFilterにかけるLFOのAmountとLFO Rateをアサインするのを思いついてからはもはやAftertouchのないMIDI鍵盤なんて考えられない程ですが、Roliの5Dではさらに弾く時の表現力が高まるので段々と今後は何かしらシンセを買うとしてもROLIのMPE Compatible Synths DAW & Instrumentsの一覧にあるソフトシンセ、ハードシンセを先に検討すると思います。

 

将来、Amber 2がリリースされ、DCAM Synth Squad (DCAMシンセ軍団、シンセ野郎達) の2がリリースされるのはいつの日かととても楽しみです。FxpansionさんAmber 2をリリースしてくださいませ。

I’m looking forward Amber 2 and DCAM Synth Squad 2!

まだRoliのBlocksシリーズを所有してなくて日本語でサポートして欲しい方はMI7のショップから購入することをオススメします。

 

MI7のROLI紹介ページ

本家ROLIのBlockシリーズ製品紹介ページ