読者の方々はAbleton PushをLaunch Padのツマミ付きのものを期待している方もいるかもしれません。
実際に触るとすぐわかるのですが、Launch Padのツマミ付きのものを期待して触ると確かに重くて大きいです。
しかし僕は逆に好印象受けました。
MPCなど丈夫な頼れるAKAIとの共同開発しただけあり、非常にしっかりとした作りです。
例えるならギターやバイクの様に「長く使える相棒」といった印象を受けました。
故・X-japanのHIDE氏が ギターは叩いても引きずってでも付いてきてくれるぐらいでないといけないと言っていたのを思い出します。
このPushもそのぐらいの頑丈さがある感じで安心感を感じました。
ギターのストラップを付けるのもあり?かもしれないと思いました。

左側にはタッチストリップがありここをスライドさせることによりAbletonでシンセなどを演奏している時はピッチベンドになり、
Drum Rackの時はタッチストリップを上下させる事でドラムのオーバービューを簡単に移動させる事ができます!
さすがAbleton純正!

このAbleton Pushは「ゼロからのソング作成」という問題を解決する新しいインストゥルメントというコンセプトなので、以下の様な空のプロジェクトの状態から実際にMacを触らないでPushのみで打ち込んでみましょう。

まず以下の「Add Track」ボタンを押します。

「Add Track」ボタンを押しっぱなしで液晶にAudio、Midi、Returnのどのトラックを作るかを聞いて来るのでここではMIDIの下の緑色に光っているボタンを押しましょう。

そうすると以下の様に空の状態のMIDIトラックが追加されます。

まだ空のMIDIトラックなのでPushの状態を確認すると「まだデバイスが何もないよー。Browseボタン押してデバイス追加してねー。」と言っています。

ではPush様の言うとおりに右上のBrowseボタンを押してみます。

すると液晶は以下の様にInstrument Rack、DrumRackなどやAbleton内蔵の音源が選択出来るようになり、
今回はDrum Rackの808を選択して緑色の決定ボタンを押します。

そうすると以下の様にDrum Rackが追加されました!
画面の状態をみるとわかる様にスワップモードになっているので違うキットを選んで決定ボタンを押してやればサクサクと変えられる事ができます。
と、ここまで来ましたが全くマニュアルを読んでおりません。
長年の勘だけで使っています。
こういう勘だけで操作出来るのはAbleton Liveと同じ感じですね。

では右下の「Note」ボタンを押すと、

以下の様な表示になり、上側がステップシーケンサー、左下がDrum Rackのパッド左下がクリップの小節数を表示します。

打ち込む手順としては以下の動画の様にDrum Rackのパッドを選択して上側のステップシーケンサーでノートを打ち込みます。
(音無し)
そうするとAbleton Liveでもこの様に打ち込まれているのが確認できます。

ではLive9のセッションオートメーションを使ってタムのピッチを録音してみます。
以下の様にAutomationボタンをオンにして録音状態にします。

Tomのパッドを選択し以下のPitchのツマミを回ししてやると

このように書き込まれました!

https://soundcloud.com/mekayama/808-tompitchup
ではここからアレンジしたいのでこのクリップを複製したいと思います。
このSessionボタンを押すと、

この様にセッションビューと同じくクリップが1つある状態の表示になるのでDuplicateボタンを押して複製すると、

この様に複製されます。

ここから先程と同じくAdd TrackボタンでMIDIトラックを追加し今度はメロディを打ち込んでみましょう。
今回はCollisionをロードしてみました。

今回はMPCなどにも搭載されているRepeatボタンを押して16分音符をベタで入力してみました。

そしてCollisionのレゾネーターのTuneをこの様に上昇させたオートメーションを書き込んでみました。

といった感じでミニマルっぽい感じのループが出来ました。
これにもっと色々とトラックを追加したりセンド&リターンなどでミキシングしたりすればそれなりの曲が出来ると思います。
このノートモードにはScaleボタンでMajor,minor,ドリアンなどなど色々なスケールが適用出来るのですがそれに関してはまた次回に書きたいと思います。
近年、「ハイブリッドな楽器」つまり音源はソフトウェアで専用のコントローラーが付くArturia社のLabolatryシリーズ、ローランド方式で打ち込むタイプのドラムマシンのSparkやそれとは相対的なMPCライクなNIのMaschineシリーズ、そしてMPC本家のAKAIからMPC Renaissanceとハイブリッドな楽器が続々と登場して来ていますが、Ableton Pushもそれに近い「ハイブリッドな感覚」が味わえました。
つまりこのPushの操作に慣れてしまえばあまりMacの画面を見なくてもトラック制作がある程度行なえると思います。
Ableton LiveはDAWですがそれと同時に楽しい楽器であるとこのPushによって再認識しました。
Arturia mini Lab

Native Instruments Maschineシリーズ


AKAI MPC Renessance
またこの様なPushとiPadによるハイブリッドなコントローラーの組み合わせもありなんではないでしょうか?
下の画像はPushとLemurのAbleton Analog用のテンプレートの組み合わせです。

また早速、Ableton Pushのフォーラムが出来ていますので入手された方は是非行ってみてはいかがでしょう?
このフォーラムによるとプログラミング言語のPythonがわかればこのPushをもっと自分好みにカスタマイズ出来るようです。
個人的にとてもリスペクトしている友人のフランスの認定トレーナーのJulien byle(protofuse)氏はさっそくPythonを使ってハックしたようです。
僕は正直プログラミングは好きではありません(笑)
しかし音楽の為なら割と頑張れるのでドットインストールのPython入門をじっくりゆっくりと勉強してみようかなと思いました。