先日、MonotribeのMIDIの穴あけも無事成功し、
「そういやちゃんとしたシンセをDIYしたことないなー。Arduinoとか作りたいファズの回路などはMacの中にあるけど、部品を買い集めるの面倒くさいなー、何かキット作って音出してみたいな」と思い1月の頭に去年から気になっていたmutable-instrumentsのShruthiを行ってみました。
このshruthi、流行のOpen Source Hardwareというもので回路図、PCB、ファームウェアがGitHubなどで公開されているのです。
完成後も使う側が改造したり回路図を見ながら仕組みを勉強したりと一粒で何度も楽しめるのです。
Open Source Hardwareの電子楽器としては他にmeeblipやBleep Labなどがあります。
Lo-Fiドラム付きのアナログモノのAnushriや6ボイスのAmbikaも気になりますが、一番シンプルでハックしやすそうなShruthiにしました。
オーダー後に約2~3日でフランスから日本にやってきました。
作り方はすべてこのMutable-InstrumentsのDIY Resourcesの中に書いてあります。
付属で付いて来るフィルタボードはSMR4 mkII, (Roland-ish, 4-pole filter)ですが、他にMS-20やOberheimのフィルタも作れるようです。
►僕が行なった操作手順
僕は上側の基盤(デジタルボード)のStep10までを最初に作り、下側の基盤(フィルターボード)を組み立て終わってからまたStep11のLCDを付ける前のLED点灯テストを行なうという順番で組み立てました。
音が出るので急いで作りそうになるのですが、このキットには予備の部品などは一切入ってないので、慎重に慎重に丁寧に作りましたw
またこのようなICソケットはひっくり返すと落ちて奇麗に取り付けるのは大変なので、
このようにテープで固定してやると奇麗に付くと思います。
フィルタの基盤が完成してコントロール基盤と合体させてStep11のLED点灯テストをしてみると、光らない。。。
2〜3パーツに付きタバコ1本というスローペースでゆっくりじっくり作ったのに。。。
半日ぐらい心が折れてましたがw、諦めずに一旦合体しているものを外してフィルタの制作手順の「Step 5: power supply, testing」に戻り、もう一度電圧を測り直し、5V出ているのを確認し再び合体させてピンヘッダの5Vを測ると0.7Vしか出てない事に気付きました。
ピンヘッダの所のハンダの不良箇所を修正しついでにルーペで不良箇所がないかを確認してからもう一度合体させてみると無事にLEDが光りましたYO!
そして慎重にLCDを取り付けて無事に完成しましたYO!
LCDの基盤の裏側は余り触らないようにした方がいいです。昔、CZ-5000を中古で買いLCDが光らないのが気に食わないので蓋をあけてコチョコチョしてたらLCDが今よりももっと貧弱な昔のタイプであったためかLCDの文字が欠けてしまうという悲惨な目に遭った為僕は触らない様にしていますw
►完成後の使ってみた感想。
Shruthiをここ数日マニュアルを読みながらいじってますが、かなりエグい音がします。
もちろんツマミが少ないので感覚的にいじりにくいですが、基本的なには2オシレータ+フィルター+アンプのシンプルな仕組みで、マニュアルの波形をみるとPPG、CZ-101、Transwaveなどの単語に敏感に反応するマニア向けのシンセといった印象を受けます。
またファミコン(NES)の波形を使った太いベース音色も入ってるのでそろそろ昔のファミコンをひっぱりだしてMIDI NESを作ろうかと思ってた所なのでこれは嬉すぃ!
また表に出てきているパラメータが少ないのでエディターを自作するのもありだろうと思ったらすでにある事をGoogle先生に教えて頂きました。
実際使ってみるとこんなに可愛いエディタでした。
また基盤をよく見ると入力出力ともに拡張出来そうなハンダの穴が確認出来ました。
どんなハックが出来るんだろう?(ワクワク)
まあ折角なのでドラムループとこのshruthiを使って簡単なサウンドスケッチを作ってみましたYO!
►必要な道具などと心構え
Shruthiを完成させるまでにキット本体以外で必要な道具や心構えとしては、
・工具:はんだ吸取器&ハンダ吸取線(出来れば両方あるといい)、はんだこて&台、デジタルマルチテスター、ルーペ(部品の番号などを確認用に)
・電源:「センター(+)300mA~」のアダプタ。これがいいと思いますが売り切れだったのでこれを買いました。
・心構え:英語に負けない力、完成させて音を出したい欲望と執念など(笑)
といったところですかね?
►トラブルシューティングと注意点
・上手く動作しない場合
もし上手く動作しない場合は公式のフォーラム(英語)で誰かに質問するのをお薦めします。
僕も上記のLEDが光らない時に写真付きで質問したらわりとすぐに誰かが教えてくれました。
Thanks for Mutable-Instruments Community! 😀
http://www.mutable-instruments.net/forum/
・パーツがぶっ壊れた!場合
部品の中にはあまりハンダで熱し続けると壊れてしまうものがあります。
もしパーツを昇天させてしまったら、、BOM(Bill of materials、部品表)が公開されているので同じ値の部品を買いましょう。基盤が折れてしまったらもうどうしようもないですがw、同じ値の部品と執念さえあればまあなんとかなると思います。
・部品の中には向きのあるものがあります。
このキットの中のダイオードや一部のコンデンサには+かーかの向き(極性)があるものがあります。
例えばこのコントロール基盤の組み立て手順の中で「polarized」と強調してあるものは向きがあるので向きをよく確認して取り付けましょう。
逆に「not polarized」と書かれているのは向きを気にしなくていいようです。
またICやICソケットも取り付ける向きがあるので基盤に書いてある向きを参考に正しい向きに取り付けましょう。
またmutable-instrumentsの回路図やPCBをGitHubで公開している中に拡張子が「.brd」「.sch」というファイルがあります。これらは基本フリーウェアの回路図とPCBデータを作成するEagleという基盤製作用のCADでこのデーターを最終的にガーバーデータとして出力させて、P版.comなどの基盤制作業者に渡せば基盤を以外と簡単に個人で沢山作る事が可能です。
(基盤を個人で作るには道具を揃えたり、エッチングという作業の工程で地球環境に良くない廃液がでてやっかいなのであまりおすすめできません)
このEagleの使い方を参考書などでマスターすれば、インターネットで何かのエフェクターやシンセサイザーの回路図を入手してそれを奇麗に作ったりできます。(根性が必要w)
たとえばこのTR-909のクローンなんかはそそりますよねー。(本物より安く作れるかも?)
最後に以下に初心者向けの電子工作に参考になるリンクを貼っておきます。
向き不向きも確かにあるかもしれませんが、僕は「ハンダ付けは俺には無理だーorz」と最初から諦めている人は損をしていると思います。
僕も小学校の頃はギターを弾く人は「きっとお金持ちの家のボンボンで小さい頃から練習してるんだろうなぁ。。家はお金持ちじゃないから無理だーorz」と決めつけていたのですが、中学校の吹奏楽部の部室でクラシックギターを試しに弾いてみたら「意外と金もかからなそうだし楽しいじゃん!」と自分の新しい扉が開けました。
それと同じく思い込みでハンダ付けを出来ない決めつけている人は損をしていると思うのです。
ちょっとハンダ付けが出来れば何も電子楽器だけでなくギターのピックアップの交換や高品質で自分が望む長さのオーディオケーブルの自作など色々と確実に世界が広がるはずです。
はんだも周りに教えてくれる人がいなければ下記のハンダづけカフェやハッカースペース、国内各所のFablabに行けばなんとかなると思いますよ。
この記事をきっかけに何か自作系の電子楽器に興味を持って頂けると嬉しいですが、
ハンダはとても熱くなり怪我や火災の原因となる事がありますので充分気を付けてください!
Mutable-InstrumentsにもDisclaimer(免責事項)として注意書きがありますが、
当記事は、何らかのトラブルや損失・損害等につきましては一切責任を問わないものとします。
►初心者向け参考リンク↓
DIYの電子工作プロジェクトを始めよう! @ライフハッカー【日本語】(良い記事!)
・国内の電子キット&部品の老舗
・海外のDIY系の有名なサイト